酒井亜人氏――『冬丘』絵の仕上げが粗雑なやうだ。筆触が大まかだが、それは日本画としてデテールを欠き、洋画風なマッスを作りあげようとしてゐるが無駄だらう。日本画の強みは細密に打ちこんだ点にあるがそれを逸脱してゐる、山岡良文氏――『煙具』色の近代性を覗つてゐるのは良い、煙草包紙の実物を貼りつけるやり方は甘い、実物を画に貼りつけるといふやり方などは第五流の洋画家に委してをいたらいゝ。『花束』白い牡丹の色の神経は美しい。西垣籌氏――『小供』色彩の混濁を避けようとして、避けきれなかつた、もつと猛烈な追求をやつて単純化に復したらよかつた。この人の作は色彩が一見幼稚さうに見えて決してさうでないところに味がある。岩橋英遠氏――『土』(ニ)非常に感能的でタケノコの描き方など作者の感覚を美事に出してゐた、素朴なテーマを複雑に描くやり方は、とかく日本画では複雑なテーマを単純化したがる一方的なやり方を脱してゐる。島田良助氏――『夏蔭』度胸のある作家だ、度胸で負けるか、度胸で勝つかは芸術家の運命の決まるところだらう。白の色も特異性がある、木の幹の色、描き方は古い。ツツジ色の甘さは美しい。 調布 歯科 siniuma.xphpbb.com :: Forum anzeigen ? Test Forum 1
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