tomosibi
  Dr.Tuboi
 
 扨て坪井博士は、石田學士大野助手等と共に、豫て集合さしてある赤鉢卷の人夫三十餘名を督して、いよ/\山頂の大發掘に取掛り、又一分隊を派して、瓢箪山西面に、半埋もれたる横穴、三箇の發掘を開始されたが、間の惡い時には何處までも惡いもので、東面の地主と西面の地主とは、感情の衝突か何か有つて、西面の方へ無斷で手を附けるとは怪しからんとか何とか、少しの手違ひに突入つて喰つて掛り、山上で大激論が始まり、警務長や郡長や代議士などが仲に入つて、兎も角も歪なりの圓滿?に局を結び、一時中止して居た發掘を續ける事となつたが、西面北部の横穴は、乞食が曾て住んで居た事があり、西面南部の二箇には、子供が入つて遊んだ事もある。然うして二箇は内部で連絡して居るといふ事が分つたので、何んだか張合は拔けて來る。小雨は降り出す。新聞記者連はそろ/\惡口を始める。地主連はまご/\して居る。惰氣滿々たる此時に、南部の横穴の方で、坪井博士は、一聲高く。 『出た!!!出た!!!』

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